いろいろな形でCDNを無料で使用することができます。
フリーミアム
CDNにおいてもフリーミアム(基本機能もしくは小流量のWebサイトについては無料)モデルが登場しています。一般的なビジネス系フリーミアムは、一度使い始めると、他のサービスに移行することが困難な場合に使用されることの多いビジネスモデルです。しかし、CDNは、サービスの開始・停止を容易に行うことができ、CDNサービスの移行は容易です。そのために、フリーミアムCDNでは、特定のCDNに対するロイヤリティ(依存性)を高めるために、何らかの制約条件が設定されています:
- Cloudflare社
- 対象ドメインのDNS設定は、すべてCloudflare社に任せる必要があります。
- 対比:一般的なCDN利用
- example.jpの権威DNSサーバ:www.example.jpというサイトをCDN配信する場合においても、自社(もしくはCDN事業者以外のDNSサービス会社)による運用を続けます。
- サイトをCDN適用するかどうか:Webサイト側(のみ)がコントロールできます。
- Cloudflare社の場合
- example.jpの権威DNSサーバ:Cloudflareにより管理される必要があります。
- 配信に関係しないMX(メール)レコード等についても、Cloudflare社のDNSサーバで管理されます。
- サイトをCDN適用するかどうか:Webサイト側だけでなくCloudFlareによってもコントロールできます
- たとえば、過去においては、配信量が一定量以上になると、CDN適用を停止するという運用も行われていたようです。
- example.jpの権威DNSサーバ:Cloudflareにより管理される必要があります。
- 対比:一般的なCDN利用
- 対象ドメインのDNS設定は、すべてCloudflare社に任せる必要があります。
- Incapsula社
- SSLは有料プランのみ使用可能です。
- 一定量以上の配信を行った場合、翌月に有料プランへの移行を打診されるようです(2015年8月時点:問い合わせ結果)。
また、いろいろと制約のある中国に対するCDN配信ですが、百度(Baidu)がフリーミアムでサービスを提供しています。サービスプランを見ると、無料版では、いろいろ制限(SLA 99%)があるようです:
DDoS対策
- Google Project Shield
- https://projectshield.withgoogle.com/public/
- Googleが提供している無料のDDoS対策ですが、CDNと同等の機能を持っています
- 対象は小規模ニュースサイトで、申し込みが必要です
CMSプラグイン
CMSの開発会社が無料で使用可能なCDNをプラグインとともに提供しています。
- WordPress Jetpack (Photon)
- 概要
- イメージファイルをCDN経由で配信
- imgタグを含むURLを自動的にCDN化
- 配信ドメインはi[0-2].wp.com/your-original-url
- イメージファイルをCDN経由で配信
- メリット
- イメージのHTMLアトリビュート(Width、height)に合わせた再圧縮
- デメリット
- オリジンサイトがHTTPS化されている場合、使用不可
- イメージの更新はできない(オブジェクトを変更した場合、ファイル名の変更が必要)
- 概要
ライブラリのCDN配信
さまざまなライブラリがCDNにより無料で配信されています。代表的なCDNを紹介します:
Bootstrap CDN
Bootstrap CDNは、Bootstrap、Font Awesome、Bootswatchを無料配信しているCDNでmaxcdnにより運用されています。
研究ベース
ニューヨーク大学の研究プロジェクトとして2004年に開始され、開発は中止となったものの、現在も稼動を続けている以下のプロジェクトが有名です:
無料トライアル
多くのCDN事業会社は、1ヶ月程度のトライアルを提供しています。オンラインサインアップ可能な事業者の場合、以下の条件におけるトライアルが主流です:
- 1か月間
- 1TB