Cedexis RadarによるCDNの国内パフォーマンス比較
Cedexisが行っているCDNパフォーマンス計測について国内部分を紹介します。計測方法や指標の詳細については、Cedexis Radar解説を参照ください。
これらグラフの対象は以下です:
- 主要CDN事業者(Limelight, Akamai, CDNetworks, Fastly, Cloudflare, Cloudfront)
- 国内ユーザ(IP)からのリクエスト
Throughput比較
- 意味合い:100KBオブジェクトの転送速度
- データ:中央値(50%パーセンタイル)
- 考察
- 3グループが形成されている
- 速:Akamai、Limelight
- 中:Fastly、CDNetworks
- 遅:CloudFalre、Cloudfront
- CloudfrontはCloudflareよりも遅い(スループットが出ていない )。
- 補足:Cloudfrontのスループットが他のCDNに比べて遅いのはグローバルな傾向であり、何らかのアーキテクチャー的なビハインド(配信サーバが仮想インスタンスで動いている?)が存在する可能性が高い。
- CloudflareのThroughputが安定していない(障害が発生したもよう)
- 3グループが形成されている
Availability比較
- 意味合い:6秒(DNSルックアップ時間を含む)以内にスモールオブジェクト(43バイト)の取得が終了した率
- データ:成功率
- 考察
- Cluodflareは障害が発生していたらしい
Response比較
- 意味合い:スモールオブジェクト(43バイト)の取得時間(DNSルックアップは含まず)、サーバ・ユーザ間のRTTに比例
- データ:中央値
- 考察
- Cloudflareの影響で比較しにくい
- Cloudflareをグラフから削除
- 考察
- 分散型CDNであるAkamaiのレスポンスが他のCDNと大差ない(さまざまなISPに分散して配信サーバをおいているAkamaiが、レスポンスについては有利かと思われたが、中央値については集中型の代表であるLimelightと大差ない)。
- データを90%タイルに変更
- 考察
- 下位10%(90%タイル)になると、Akamaiの優位性(分散型:ユーザとサーバの距離が短い)が見え始めるが、大きな違いとはなっていない。
- Fastlyは明らかにレスポンスが遅い。50%タイルではそれほど差がないため、GSLB(クエストルーティング)の不具合である可能性が高い。
- FastlyのGSLB設定ミス(国内クライアントの一部がオーストラリアに誘導されていた)が直ったあとのグラフ。
補足:CDN障害時のグラフ
2016年3月16日に大きな障害(DDoS攻撃を受ける)をおこしたKeyCDNの国内Availablityグラフ。KeyCDNはAnycastを使用しており、その影響(拠点障害時のリカバリが難しい)が出ている。