CDNのマーケター視点でのメリット(必要性)は、大きく2つに集約されます:
- サイト高速化
- ピーク対策
サイト高速化
CDNによりWebサイトの高速化が可能になりますが、Webサイトへのアクセス速度は、サービスに対して大きなインパクトをあげることが知られています。ユーザインターフェイスの教科書的には以下の基準が存在し:
- 0.2秒:インタラクティブな操作(マウス等)の遅延限界
- 2秒:ページ切り替え(表示)の遅延限界
- 8秒:トランザクション処理の遅延限界
実際の調査結果としては、以下のようなものが有名です:
- Amazon
- 表示速度が0.1秒遅くなると、売上が1%減少する
- Ebay
- 表示速度が10%速くなると売上が1%増加、35%早くなると5%増加する
- Google
- 表示速度が0.5秒遅くなると、検索数が20%減少する
また、SEO面においても、以下のような影響があります:
- Google検索
- 表示速度をランキングシグナルに利用
ピーク対策
CDNのもうひとつの大きなメリットとして、大量のリクエストが瞬間的に発生しても、安定して配信を継続できることがあります。ここでは、ピークの目安を紹介します(ピーク帯域は1ページあたり10オブジェクト、1オブジェクトあたり20KBと仮定):
ピーク同時接続 | ピーク帯域 | |
キャンペーン | 通常の数~数十倍 | サイトにより異なる |
Webメディア露出 | 数千~ | 数百Mbps~ |
TV連動 | 数十万~ | 数十~Gbps |
これらの一時的なピークに対し設備増強を行うことは、コスト的に不可能であり、これを解決するソリューションとしてCDNが使用されています。逆に、各種媒体(Webポータル、TV)での紹介、キャンペーン実施等、売上げ・認知度を上げるチャンスがありながら、「CDNを使っていなかったために機会を逃した」ということをしばしば聞きます。また、最近のCDNでは、短期間での導入(もしくは契約だけしておき、使いたいときだけ有効化)が可能です。マーケターにとっても、CDNを何時でも使えるよう準備しておくことが重要です。