CDNトレンド2016概論
最新トレンド
赤字は昨年から変更された点
- コモディティ(一般的な)CDNの単価は下落
- 2014年:25%下落
- 2015年:20%下落
- 大手顧客では45%の下落もあった
- 調査結果では最低価格0.25セント/GB
- コモディティCDN顧客のトラフィックは増加しているが、CDN業界全体でみれば、その増量は大きくない
- Sling TVやPlayStation VueなどのOTTは過度に評価されているが、配信量は大きくない
- 大手OTTは、すべて(もしくは、ほぼすべて)のトラフィックを自社CDNで配信している
- 自社CDNは(少数の企業しか運用していないが)、Internetトラフィック増加の主要ドライバである
- Danの予想では、Appleはその75%のトラフィックを自社CDNで配信している
- ソフトウェアや巨大オブジェクトのダウンロードが、メディア・エンターテイメントにおけるCDN成長のドライバとなっている
- モバイル端末のインパクトはまだ小さい
- 4Kストリーミングは、当面(数年ぐらい)CDNにインパクトを与えない(メジャーなコンテンツとはならない)
- Appleがサブスクリプションサービスを始めても、そのトラフィックを一般CDNへ流さないであろう
- 多くの新規参入があったが、新たな付加価値を持つサービス、コンテンツやモバイルへの変換を行うサービスだけが大きく成長している(Fastly, Yottaa, Instart Logic, TwinPrime, Tensera)
- ビデオ配信は自社でネットワークを持っていない限り儲からない
- ビデオはCDNのトラフィックで最大の割合をもつが、利益への貢献は小さい
- フルサービスのCDNにおいて、CDN事業者はビデオ/ソフトウェア/メディア配信に過度に集中している
- QoE:ビデオおよびCDN業界は、やっと品質計測に注力しはじめた
- マルチCDNが成長しており、小規模顧客にも受け入れられている
鍋島補足
- 大手OTTを失った(さらに失いつつある)Akamaiが、設備余剰を埋めるために大幅なディスカウントを行っており、9月時点で価格下落がさらに進んでいる
- Danの調査では0.2セント/GBが最安値、他社も0.4セント前後の提案を行っている
- 昨年のサーベイでは「CDNは今年(2015年)もメディアビジネスで12~18%の成長をするであろう」と結んでいたが、今年は無くなった
- Akamaiも2016年Q1においてメディアセグメントの売り上げを落としている(3.5%の下落)
- Akamai Q2もメディアセグメントは2%の減収
- 大手顧客6社の売上がFY15Q2ではセグメント売上の17.8%を占めていたが、FY16Q2では10.7%まで落ち込んだ
- うち最大手顧客2社(たぶんAppleとFacebook)の売り上げ下落が大きい(FY15Q2ではセグメント売上の12%を占めていたが5%まで減少した)
- この原因は大手OTTの自社CDNへの移行
- http://blog.devoncroft.com/2016/07/27/akamai-media-division-declines-in-q2-despite-strong-growth-in-ott-business/
- 大手顧客6社の売上がFY15Q2ではセグメント売上の17.8%を占めていたが、FY16Q2では10.7%まで落ち込んだ
- 大手相手のメディア配信マーケットは縮小していると見るのが妥当だと思われる。ただし、AkamaiもセキュリティセグメントでQ1 46%の増収を達成しており、セキュリティを含めた広義のCDNであれば、大手企業相手のCDNも当面は成長し続けると思われる
- Bizetyは、「CDN事業はハンバーガーショップと似てきている」と指摘している。つまり、「ハンバーガー(配信)自体には利益を求めず、コーラやポテト(WAF、DDoS対策、モバイル変換等の付加価値)で利益を出すことを目指す」という戦略になりつつある。
- 一方、中小企業相手のCDNについては、各社ともに大きく成長しており、十分な利益を生み出している。
- 詳細追加予定
- 有望な新興企業の変更点
- 削除企業
- Rev Software、Kwicr (Instart Logicが買収)
- 新規企業
- 削除企業