CDNトレンド2016自社CDN
大手OTTのトラフィックは自社CDNへ
- OTTトラフィックは拡大しているが、その拡大の多くは自社CDNにより配信されている
- Netflix:100%自社
- Amazon:全部ではないが多くの部分
- CBS、Sling TV、PlayStation VueなどのOTTは、単独サービスからAmazon依存のサービスに変わりつつあり、配信についてもAmazonへ切り替えつつある(要詳細調査/鍋島)
- CDN事業者は中小OTT事業者の配信を支えている事を誇らしげに言うが、実際には大きな飛躍は無い。このマーケットの成長は確実だが遅い。
自社CDNのトレンド
- 自社CDNはトレンドではない。限られた企業だけが動画向けCDNを実装できる。ほとんどの企業にとって、自社CDNは、CAPEXおよびOPEXの視点で、投資に見合わない。
- 自社CDNの現状
- 自社CDNを構築しているのは以下の会社
- Amazon、Apple、Facebook、Google、Microsoft、Netflix、Pandora、SKY、Twitch、Twitter、Valve
- いくつかの会社は、配信の100%を自社CDNから行っている:Netflix、Pandora
- Appleは75%のトラフィックを自社CDNから配信している(Danの見込み)
- それ以外は、75%以上程度の割合を自社CDNから配信している
- トラフィックの自社CDNへの移行は進むであろう。
- たとえばAmazonはビデオ配信をAkamaiからCloudfrontに移行させている。2016年のAkamai収益に20~25億円のインパクトを与えるであろう。
- 自社CDNを構築しているのは以下の会社
- 自社CDNの構築は難しくないし投資も大きくない
- 特定目的のためのCDN構築は、汎用CDNの構築に対して簡単であり、必要なコストも低い
- ただし、自社CDNを構築しそうなCDNユーザは、現在のところ無い。
- Disny、MLB、Viacom,NFLレベルであっても自社CDNを構築する意味は見出せないであろう
- Huluはライブ視聴を開始したが、自社CDNはもっていない(LimelightとLevel3を使用している)。2015年Q4のピークトラフィックは全米の2.6%に達している。
鍋島補足
- 自社CDNについて、昨年は「いくつかのCDN顧客が自社CDNを構築しているが、トレンドではない」であった。今年も「トレンドではない」と言い切っているが「トラフィック増のメイン・ドライバ」というポジティブな記述になっている。
- 加入者数
- CBS (All AccessおよびShowtime):200万人
- Sling TV:76万人
- 汎用CDN
- キャッシュサーバ自体はオープンソースのもの(nginxなど)を利用可能
- ストリーミングもHTTP化が進んでおり、高価なFlashサーバなどの購入は不必要
- 設定コンソールやマルチユーザ・マルチテナント対応などの作りこみに工数がかかる。
- キャッシュサーバ自体はオープンソースのもの(nginxなど)を利用可能
- その他の自社CDN実装
- トラフィック調査 (Sandvine Global Internet Phenomena Report 2H 2015)
- Netflix (37.1%)、YouTube (17.9%)、Amazon Prime (3.1%)、iTunes (2.8%)、BitTorrent (2.7%)、Hulu (2.6%)