TVサイマル
ミクロ(ボトムアップ)分析
コンテンツビットレートと費用
画質、流量、配信コスト(1時間あたり)
画質 | ビットレート目安 | 1時間あたり流量 | 仮定1(3円/GB) | 仮定2(0.3円/GB) |
360P | 0.5Mbps | 0.23GB | 0.69円 | 0.07円 |
480P | 0.8Mbps | 0.37GB | 1.11円 | 0.11円 |
1080P | 3Mbps | 1.38GB | 4.15円 | 0.41円 |
4K | 10Mbps | 4.61GB | 13.82円 | 1.38円 |
8K | 30Mbps | 13.82GB | 41.47円 | 4.15円 |
画質、モバイル受信コスト(1時間あたり)
画質 | 仮定1(MVNO原価:270円/GB) | 仮定2(消費者価格:500円/GB) |
360P | 62円 | 115円 |
480P | 100円 | 184円 |
1080P | 373円 | 691円 |
4K | 1,244円 | 2,304円 |
8K | 3,732円 | 6,912円 |
広告収入
- テレビCMの相場
- キー局GRP 10万円程度
- 関東地区の1%(40万6千人)に15秒CMを1回見せる費用=10万円
- CPM(1,000インプレッション単価)換算:246円
- キー局GRP 10万円程度
- 動画広告の相場
- CPM:数千円~程度
収支予想
CPM246(GRP10万)円ベースの広告売り上げ・配信費用
1時間当たり(円) | 補足 | |
配信費用 | 1.11 | 480P、3円/GB |
広告売り上げ | 6.89 | CPM:246円(GRP100,000円) |
ゼロレーティング試算(CPM4,000円ベースの広告売り上げ・配信費用・モバイル受信費用)
1時間当たり(円) | 補足 | |
配信費用 | 1.11 | 480P、3円/GB |
モバイル受信 | 100.00 | MVNO卸、270円/GB |
広告売り上げ | 112.03 | CPM:4,000円 |
マクロ分析
BS放送との対比による分析
BS放送
- 代表例
- BS11(日本BS放送、東証1部)2016年業績
- BSフジ2016年業績
- 売り上げ:168億円
- 営業利益:25億円
- 衛星費用
- 年間:8億円程度/局
- アップリンク費用
- ダウンリンク(トラポン)費用
- 年間:8億円程度/局
- HUT(総世帯視聴率)
- 公表データなし
- 地上波(60%程度)の1/10と仮定⇒6%
- 各局の視聴率
- 公表データなし
- 上記HUTを無料BS局で分けると仮定⇒1%
Internetサイマル
- 仮定
- 世帯数:5,600万世帯
- 配信ビットレート:1Mbps
- 帯域単価:200円/Mbps
- 配信費用:帯域単価の1.5倍
- 配信コスト(メディアの維持費用)
- ピーク視聴率1%=56万世帯へ配信=560Gbps
- 配信費用(年間):20.15億円(560(Gbps)*200(/Mbps)*1.5*12)
補足
- プログラマティックTV(PTV)広告
- TV広告取引の自動取引
- 米国においても本格的な普及はまだ
- メリット
- 効果的に広告出稿できる
- 出稿の裾野を広げる(小額で広告出稿が可能になる)
まとめ
- 配信単価3円
- ミクロ分析: ビジネスは成立しそう
- テレビと同程度の広告単価(GRP、CPM)になれば、収支はバランスする
- テレビ以上の単価も可能
- ストリーミング広告:テレビの10倍以上の単価で取引されている
- プログラマティックTV広告:これから普及、単価向上の追い風
- マクロ分析:配信コストはBS局の倍程度
- 荒い仮定で計算しているが、数倍程度のコストにおさまりそう
- 時間がたてば同程度まで下がる(Internetの配信コストは5年で半分にはなる)
- 荒い仮定で計算しているが、数倍程度のコストにおさまりそう
- ミクロ分析: ビジネスは成立しそう
- ゼロレーティング
- 480P画質の場合、CPM4,000円程度を獲得できれば「サイマル放送視聴パケット無料」を実現できる
- 課題は「ユーザの獲得」
- ユーザは本当にスマートフォン・PCで(ライブ)テレビを見るのか?
- 高額なパケット代
- ワンセグの悪夢
- ユーザは本当にスマートフォン・PCで(ライブ)テレビを見るのか?